結婚生活の中で、夫からの言葉や態度に傷つき続けた日々。どうして私だけが苦しまなければならないのか、理解してもらえないもどかしさ。
この記事では、私が夫のモラハラ加害性に気づくまでにかかった8年間の過程を振り返ります。
同じように悩む方が、自分の気持ちを整理するきっかけになればと思います。
新婚期の苦しみ ― 言葉で傷つき、心が消耗していく日々
結婚してすぐ、私は退職して夫の転勤についていきました。理想の新婚生活を描いていたのに、現実は違いました。夫は「鬱陶しいから話しかけるな」「話が面白くないから話さなくていい」と言い、突然怒鳴ることもありました。私が反論すれば「言い訳するな」と責められ、夫自身は昔からの酷い言葉遣いを「治せない」と言い訳するばかりでした。
育児に関しても同じでした。夫はスマホでゲームや動画ばかりなのに、私に口出しばかり。私が子供と楽しそうに話すと、「おかしい」と思われている気がして、夫の前にいるだけで動悸がしたり、夜眠れなくなることもありました。
全てが否定される中で、私は認めてもらいたい一心で必死に頑張り、消耗していきました。毎日が緊張と恐怖の連続で、自分の存在そのものが試されているように感じていました。
結婚3〜8年目 ― 心が折れ、距離を取る決断まで
• 結婚1〜2年目
自己中心的な発言や批判が増え、私を認めることはほとんどありませんでした。
• 結婚3年目
子供が生まれると、義父の意見ばかりを尊重する夫に、私の辛さは無視されました。育児に関しても「あなたのやることは間違っている」と否定され、存在そのものを否定されているように感じました。
• 結婚5年目
精神的に限界を感じ、心療内科に通い始めました。夫は依然として、自分の加害性には気づかず、「あなたが弱いだけ」と認識していました。私が思いを伝えても「おかしい」「間違っている」と言い、言葉尻を捕らえて反論するばかりで、まともな会話はほとんどできませんでした。
• 結婚6年目
話しても無駄だと感じ、直接の会話をやめ、伝えたいことはすべてLINEで送るようになりました。同時期、夫は職場で同じようなトラブルを経験し、自分に非があったことを実感。「ありがとう」「ごめんね」を言えるようになりました。しかし、夫と同じ車に乗ると動悸がする状態は続き、心の安らぎはまだ遠いものでした。
• 結婚7年目
感謝や謝罪の言葉は出るようになったものの、過去の発言の加害性を心から理解しているわけではなく、言葉遣いもまだ改善されませんでした。
• 結婚8年目
家庭内別居を始め、私がカウンセリングを開始。夫もカウンセリングを受けたいと相談してきました。この時点でも、直接の対話は避け、LINEでのやり取りを続けました。LINEでも無配慮な返信があり、私が「傷ついた」と伝えると、夫は夜1人で泣いていました。
その姿を見て、「直したいのに、やり方がわからない、人の心に寄り添うコミュニケーションを知らないのかもしれない」と悟り、ようやく夫が自分のモラハラ加害性に気づく段階に到達しました。しかし、この8年という長い道のりに、安堵と同時に絶望感も押し寄せました。
夫がモラハラ加害性に気づいたきっかけ
夫が変わり始めたのは、職場と家庭の両方で同時期にトラブルが起きたことが大きなきっかけでした。職場で、自分の行動が原因でトラブルになったことで、「自分にも非があった」と実感しました。
さらに、テレビで先に奥さんを亡くした旦那さんの話を聞き、自分を置き換えて考えるようになったことも影響しました。カウンセリングでの指摘も、気づきの後押しになりました。
そして何より、私が距離を置き、「もういい」と態度で示したことや、LINEで具体的に改善点を伝え続けたことが、夫に変化の余地を与えたのです。
8年かかった理由と学び
加害性を認めるまでに8年もかかった理由は、夫の「自分は正しい」という強い価値観と、他者の意見を受け入れられない姿勢にありました。
同じ状況の方へのメッセージとしては、次のことが大切だと思います:
• 相手に変わってもらおうと無理に期待しない
• 安全な距離を確保し、直接対話に頼らない
• 第三者を巻き込む
• 嫌なことは態度で示し、我慢しすぎない
• 1人で抱え込まず、誰かに相談する
正しいと思い込む人間が変わるには時間がかかります。自分と家族の幸せを守るためには、早めに距離を取ることが最も実践的な防衛策です。
まとめの一言
加害性に気づくまでに時間がかかることはあります。
守るのは自分と家族。距離を取り、支援を受けることが、心を守る最初の一歩です
コメント