家族の中に、どうしても受け入れられない人がいる──そんな経験はありませんか。
私にとってそれは、義父でした。
ただの「苦手」ではなく、静かに、でも確かに心の奥に積もっていった違和感。
それは時間とともに形をはっきりとし、やがて私の中で「これはおかしい」という確信に変わっていきました。
「あなたのために」と繰り返される注意
義父はよく、義母に対して「あなたのためを思って言ってるんだ」と注意をしていた。
家族の集まる、食事会のときにそんな光景を何度も見てきました。
注意の内容は些細なことでも、繰り返し繰り返し――。
気を遣わなくてはいけないこちらの身にもなって欲しいと思った。
義母は義父のことを責めたりしない、でも心では傷ついていたのじゃないかな--
義父のその言葉は、本当に「相手のため」だったんだろうか?
「そんなことないです」と言いながら、首を横に振ることしかできなかった。
私はそばでその様子を見ながら、どこか窒息するような感覚を覚えていた。
会えば必ず誰かを評価する
義父と会うたび、誰かの失敗、他人の運転の仕方、ニュースの話題…
とにかく何かしら「評価」や「文句」が口をついて出ていた。
運転中、他の車に対して文句を言い、
義母が運転しているときにひと言アドバイスをしようとすると、
「わかってるから」と強く遮る。
私も、この人にいつか評価や文句を言われるのだろうと思い苦しくなった。
公の場で、義母の過去を引き合いに出す
家族での食事のとき、みんなが集まっている前で、
義母の過去の失敗談を笑い話のように語る義父。
「この人はな〜」と言いながら、みんなに聞こえる様な大きな声で。
でも、その「笑い」の中に、なぜか私はひやりとしたものを感じていた。
その話を、なぜわざわざ今ここで?
夫も、義理の弟もそれを見て誰も注意しない。
おかしいなんて思ってなくて、まるで当然だという様子で話を聞いている。
嫁の前でこんな話をされて嫌に決まってるよね。そう思って私だけが首を横に振り続けた。
義母は言われた瞬間、少し驚いた様子だった。
でもそのあとは「そうなの」と言って笑って聞いていた。
あの時の義母は、どんな気持ちだったんだろう。
産後のデリケートな時期を無視された
私が妊娠・出産を経て心身ともに繊細になっていた時期、
義父からの電話が何度もかかってきた。
「元気?」「そろそろ産まれそう?」「もっと近くに住んでたらなあ」
――その言葉の裏にある距離の詰め方が、私にはつらかった。
さらに私の目の前で、「この子はうちの家系に似てるな」と言われるたびに、
私の存在や思いが押しのけられるような感覚になった。
この子は“私の子”であって、誰の家系の持ち物でもないのに。
義父を見ると、夫と重なった
義父を見ていると、夫の姿が重なって見えた。
「正しさ」で相手をコントロールするところ、
相手の意見を考慮せず、自分の意見を押し付けるところ、
口を開けば誰かの批判をしているところ。
このまま年を重ねていったら、夫も義父のようになるんじゃないか。
そう思うと、将来がとても怖くなった。
「会いたくない」と言っても、届かなかった
産後、義父に会うことが本当にしんどくて、
「まだ体調も戻ってないし、今は会いたくない」と夫に伝えた。
けれどその気持ちは理解されず、「それはちょっと…」と遠回しに否定され、結局会うことになった。
私の体調や気持ちより、“義父との関係”が優先されたような気がして、
とても傷ついたし、つらかった。
「似てほしくない」と思ってしまう
私は、自分の子どもに夫や義父のような態度を覚えてほしくないと願っている。
だからこそ、自分の中の違和感やストレスをごまかさず、こうして言葉にして残しておきたい。
あのときの私は、笑ってやり過ごすことで、自分の違和感を押し殺していた。
でも今はもう、それをしないって決めた。
あれはただの「苦手」なんかじゃなくて、ちゃんとした「心のサイン」だったんだと思う。
一緒にいれば影響される
私自身も夫と一緒にいると影響されていると思うことが増えた。
結論のない話を聞いていると自分がイライラしていることを感じる、人の幸せを心から喜べなくなる、ポロッと皮肉を言ってしまう、相手の心への寄り添い方がわからなくなった。
ちょっと前の私には考えられないことだった。
それがたった4年くらいいるだけで自分が変わったことを知って落ち込んだりもした。
幼少期から、義父と一緒にいる夫はなおさら影響を受けているだろう。
土台となる幼少期に義父の影響を受けているのだから、この価値観を否定することは難しい。
夫も、この点では被害者なのかもしれない。
それでも、私は私を守る
夫は義父の影響を受けて育ってきたから、他人を否定することが当然という価値観があることは仕方ないのかもしれない。
それでも、私は私の人生を夫に影響されたくない。
自分を取り戻すために、夫からの否定は受け付けないと決めた。
あなたも今だれかに否定されて傷ついていたとしても、傷つけられていい存在なわけがない。
自分のことを守ることはわがままではありません。
どうか、そのことを忘れないでほしい。
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