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「大切に思っていたから」の本心は?
「大切に思っていたから」「困らないようにと思って言っただけ」
そんな言葉を、私は何度も受け取ってきた。
優しいように見えるその言葉に、私はいつも違和感を覚えていた。
なぜだろう。なぜ「大切にされている」はずなのに、こんなにも息苦しいのだろう。
「大切だと思うからこそ、知花が困らないように、どこかで行き詰まって苦しい思いをしないようにと、色々言ってしまった」
ある日、こんなメッセージを受け取った。
大切は誰のための言葉?
だけど私は、それが本当に私のためだったのかどうか、ずっと疑問に感じていた。
本当に私のことを思っての言葉だったの?
そうじゃなくて、
私が困ったり、失敗したりすることで、あなた自身が困らないようにするためだったんじゃないか
――そんなふうに感じてしまっていた。
私が自分で選んで、失敗したら。
その瞬間、あなたの中にある“正しい世界”が揺らぐ。
私の判断や行動が、あなたの価値観や安心を壊すことになる。
だからこそ「失敗させたくない」と言いながら、
実はあなた自身の世界を守るために口出ししていたのではないか──そう思えてならない。
そうだとしたら、それは「大切にされていた」のではなく、
**「管理されていた」**という感覚のほうが、私にはしっくりくる。
私の人生を思っての言葉ではなくて、
あなた自身の不安を消すための言葉だったのかもしれない。
私は、ずっとそう考えてしまっている。
あなたの頭の中には、無意識のうちに
いつも**「自分の世界を守ること」が中心にあるのではないですか?**
あとがき
愛情の言葉は、ときに鎖になる。
それがどんなに優しい声色でも、どれだけ「君のため」と繰り返されても、
そこに私の意思や選択がなければ、それは支配に近づいてしまう。
本当に大切にするというのは、
その人の“人生を信じて待つ”ことなんだと、私は思う。
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