優しくなろうとした。理解しようとした。
でも、返ってくるのは「足りない」と言われる毎日だった。
頑張った。できるだけのことはしてきた。
「もっとわかってあげよう」「相手にも事情があるはず」
そう思って、私はずっと頑張ってきた。
会話の糸口を探して、相手が気分を害さないように言い方を工夫して、
何度も何度も、自分の気持ちをやわらかく、丁寧に、伝えようとしてきた。
怒らないように。責めないように。
“ちゃんと伝わるように”って、すごく神経を使って、慎重になって。
いつだって私は、「あなたを傷つけたくない」って思ってた。
だけど、返ってきたのはいつも同じ言葉だった。
「話が長い」
「結局何が言いたいの?」
「その言葉はおかしい」
私が何を言っても、どんなに言葉を選んでも、
最終的には「お前の言い方が悪い」にたどり着いてしまう。
そして私はまた、「じゃあどう言えばよかったんだろう」って、自分を責める。
「伝え方が悪い」って、そんなに私が悪かった?
怒りをぶつけたわけじゃない。
言い方を強めたわけでもない。
むしろ、どんなふうに話せばいいのか、毎日、毎回、悩んでた。
それでも、うまくいかない。
何も伝わらない。
こっちが折れて、気を使って、工夫しても、相手は何も変わらない。
「頑張ってるよ」って、自分に何度も言い聞かせた。
だけど、心のどこかで思ってた。
「こんなに頑張ってるのに、なんで私はこんなに苦しいの?」
「どうして、私はずっと“足りない”って言われ続けるの?」
報われない努力には、終わりを決めてもいい
たぶん私は、「変わってくれるかもしれない」という期待にしがみついていた。
「もう少しうまく伝えられたら、今度こそ分かってもらえるかもしれない」と。
でも、違った。
いくら頑張っても、相手が“受け取る気がない”なら、どれだけ丁寧に伝えても届かない。
むしろ、こちらだけがすり減って、心のエネルギーがなくなっていく。
努力が報われないと気づいたとき、心に線を引いてもいい。
「私はもう、これ以上傷つきたくない」と、自分を守ってもいい。
最後に
あの頃の私は、「頑張れば報われる」と思ってた。
でも今ならわかる。
頑張ることは大事だけど、「誰に対して頑張るか」はもっと大事だったんだって。
私の努力を、「そんなの当たり前」としか思わない人のために、
これ以上自分をすり減らさなくていい。
少なくとも、私はそう自分に言ってあげたい。
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