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【第3章|産後の孤独と自己否定】育児中、自分が壊れないように、感情を殺した

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喜びも、怒りも、寂しさも──感じないようにしていた

赤ちゃんが泣き止まない夜、

ミルクを吐いて何度も着替えさせた朝、

ひとりで抱えて過ごす毎日。

最初のうちは、涙が出るほどしんどくて、「どうして私ばっかり…」と何度も思っていました。

けれど、ある日ふと気づいたんです。

**「このままじゃ、自分が壊れてしまう」**と。

感情を感じると、立っていられなくなった

悲しいと思えば涙が止まらない。

つらいと思えば逃げたくなる。

悔しいと思えば、どうしようもなく誰かを責めたくなる。

だから私は、感情を感じないようにしました。

目の前のことだけを淡々とこなす。

考えない、比べない、期待しない。

笑うことも減って、ただ無表情で過ごす時間が増えていきました。

それでも、そのほうが「楽」だったんです。

感情を持たないほうが、傷つかずにすむから。

誰にも甘えられない環境が、拍車をかけた

夫は仕事で帰りが遅く、実家も遠い。

「大変だったね」と言ってくれる人はいない。

「頑張ってるね」と労ってくれる人もいない。

むしろ夫は、私の愚痴や失敗に対して「だから言ったじゃん」「工夫が足りない」と指摘ばかりしてきた。

そのたびに、「これ以上は感じちゃいけない」と、感情にフタをしてきました。

自分を守るために、母としての「役」を演じた

本当の私は、もっと泣きたかった。

もっと助けてほしかった。

もっと「よくやってるよ」って認めてほしかった。

でもそれを求めると余計に傷つくとわかっていたから、

私は「何も感じない母親」を演じて、淡々と、壊れないように生きることを選びました。

感情を殺した代償

あの時期、私は確かに“壊れなかった”。

でもその代わりに、大切な喜びや、赤ちゃんとの愛おしい時間の記憶が、色あせてしまった気がします。

「守り抜いた」けれど、「失ったもの」も確かにあった。

今なら思う。

本当は、泣いてもいいし、弱音を吐いてもよかったんだって。

でも当時の私は、そんな余裕すらなかったんです。

あの頃の私に、伝えてあげたい

感情を殺してまで頑張ったあなたは、弱くなんかない。

むしろ、すごく勇敢だったんだよって。

本当は、誰かがそっと「大丈夫だよ」って言ってくれていたら、

そんなに強がらなくてもすんだのかもしれない。

だから今、同じように感情を抑えて毎日をやり過ごしている誰かがいたら、私は伝えたい。

「壊れないことだけが、育児のすべてじゃないよ」と

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