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【第5章|夫の変化を感じた日】夫が変わり始めたきっかけは、会社のトラブル

「人って、何がきっかけで変わるんだろう?」

その問いの答えは、思いがけないところにありました。

ずっと私を圧迫してきた夫。

理屈でねじ伏せ、感情には目を向けず、

「お前のため」と言いながら、自分の正しさを押しつけてくるような人でした。

話し合いなんて成り立たなかった。

私がどれだけ「苦しい」と訴えても、夫には届かない。

まるで壁に向かって話しているような、虚しさと絶望の中にいました。

目次

夫に起きた「理屈が通らない経験」

そんな夫に、ある日会社でトラブルが起きました。

詳細はここには書けませんが、それは夫にとって、“自分の理屈が通らなかった経験”だったようです。

どれだけ「正しい」と思っても、相手には通じない。

自分の思い込みで人間関係がこじれ、

自分の判断で相手を深く傷つけてしまう――

そんな出来事を、夫自身が初めて体験したのです。

少しずつ変わり始めた行動

その頃から、夫のコミュニケーションに少し変化が現れました。

あんなに自分を正当化してばかりいた人が、

「ありがとう」や「ごめんね」と、子どもにも私にも言うようになったのです。

以前はスマホをいじりながら人の話を聞いていた人が、相手の顔を見て話を聞くようになったのです。

もちろん、劇的に変わったわけではありません。

相変わらず理屈っぽいところはあるし、

私が何かを言えば、すぐに防衛反応を見せることもあります。

けれど――

「人にどう伝わるか」を意識するようになったこと。

それは、私にとって確かな変化でした。

何年かけても届かなかったことが

私が何年もかけて伝えようとしても、届かなかったこと。

涙で訴えても、冷静に説明しても、

「そんなつもりじゃなかった」の一言で片付けられてきた気持ち。

それが、たった一度の会社での出来事で、

ようやくほんの少しだけ――響いた。

皮肉だけれど、それが現実でした。

経験からしか学べないことがある

私は少しだけ希望を感じました。

「人は、経験からしか学べないことがある」――

そんなことを、初めて実感したからです。

私の言葉では届かなかったことも、

“自分が経験する”ことでようやく理解できることがある。

それを夫の姿から見せられました。

変化は始まりにすぎない

夫が本当に変われるかどうかは、まだわかりません。

ただ、変化の“きっかけ”は確かに起きた。

その芽をどう育てていくのか。

そして、私自身がこれからどんな選択をしていくのか。

それは、これからの課題です。

けれどあの日の会社の出来事が、

夫を、そして私たちの関係を、少しだけ動かした――

そんな気がしているのです。

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