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【第7章|心の距離と小さな決意】本音が話せることの安心感

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「話してもわかってもらえない」と思っていた日々

夫との関係の中で、私はずっと「言えないこと」を抱え続けてきました。

たとえば、寂しさや不安。

「わかってほしい」という気持ちを口にすれば、

「そんなふうに考えるお前のほうが問題だ」と言われる。

私の感情は、いつも否定される側でした。

そんな日々の中で、本音を隠すことが“自分を守る方法”になっていきました。

でも、本音を隠すって、本当はすごく苦しい。

「話してもどうせ伝わらない」「また否定されるだけ」――そう思いながら、

それでも誰かにわかってほしくて、けれど言えなくて、

心の中にずっとしまいこんできた言葉たち。

「実は私も」と初めて言えた相手

転勤先で出会ったママ友が、ある日ぽつりと打ち明けてくれました。

「うちはうまくいってない。不倫されたことがあって、許せないままでいる」

その言葉を聞いて、私は初めて「実は私も」と口にすることができました。

「夫にモラハラされてるかもしれない」

そう言った瞬間、涙が出そうになるのをこらえるのが大変でした。

でも、彼女は否定せずに、こう言ってくれました。

「それ、モラハラだよ。最低だね」

その言葉が、ただただうれしかった。

誰かに受け止めてもらえたことで、心が一気に軽くなりました。

「私だけじゃない」と思えたこと。

話してもいいんだ、と思えたこと。

たったそれだけのことで、こんなにも救われるなんて思いませんでした。

離れても続いている大切なつながり

そのママ友とは、今はまた引っ越して離れてしまい、会えなくなりました。

話せない環境に戻ったことが少し苦しくて、寂しさも感じています。

でも、今でも連絡を取り合っています。

あの日のやりとりが、私にとってどれほどの意味を持っていたか、

彼女は知らないかもしれません。

話してよかった。

本音を話せるって、こんなにも大きなことだったんだと、

あのとき初めて知りました。

本音を話してもいい、そう思える場所を

家庭の中に「安心して本音を話せる場所」がないというのは、

想像以上に心を蝕みます。

だから私は今も、あの日感じた「本音が話せたことの安心感」を忘れずにいます。

もし、あなたのまわりに「本音を話せる人」がいないのなら、

あなたの中の“感じたこと”を、どうか無視しないでください。

言葉にできなくても、自分の気持ちを大切にしていてほしい。

本音を話せる相手は、いつか必ず現れます。

そしてそのとき、あなたの心はきっと――

少し、軽くなるはずです。

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