モラハラ被害を受けているとき、いちばん苦しいのは、**「誰にも話せないこと」**かもしれません。
「私の受けていることは、モラハラって言っていいの?」
「誰かに話したら、逆に責められるんじゃないか」
「“うちもそうだよ”って軽く流されたら、もっと苦しくなる」
そんな不安で、心にフタをしたまま過ごしている方も多いはずです。
けれど実際には、“話しても大丈夫な人”は、ゆっくり探せば必ず見つかります。
そして、「話してよかった」と感じられる日が、きっと来ます。
この記事では、そんな**“安心して話せる相手の見分け方”と、“無理のない話し方”**について、できるだけ具体的にお伝えします。
話していい相手って、どんな人?
1.「あなたが悪い」と決めつけない人
話の途中で「でもさ、あなたも悪くない?」と返してくる人は要注意。
自分では気づいていても、まずはあなたの気持ちを否定せず聞いてくれる人が大切です。
→ 例:「そんなの辛いよね」「あなたの気持ち、わかるよ」と言ってくれる人。
2.普段のあなたを知っている人
日常の小さな苦労や、我慢してきたことに気づいてくれている人は、より寄り添ってくれやすいです。
→ 例:ママ友、実家の家族、昔からの友人など。
3.口が堅い・秘密を守ってくれる人
人の噂話をすぐに広めるような人は避けましょう。
「この人なら大丈夫」と思える安心感は、話す前から感じ取れるはずです。
→ 目安:他人の家庭のことを軽く話題にする人には、家庭の悩みは話さないのが安全。
4.価値観の押し付けが少ない人
「夫婦なんてどこもそうだよ」
「子どもがいるんだから我慢しなきゃ」
そんな“正論”で返してくる人も、心が傷つきます。
→ 価値観より、今のあなたの気持ちを見てくれる人が必要です。
話し方のポイント
いきなり全部を話そうとしなくても大丈夫。
小さくても、“言葉にする”ことが、あなたの心の整理につながります。
● はじめは「共有」から始めよう
「ちょっと最近、家のことで疲れてて…」
「私の気持ちをただ誰かに聞いてもらいたくて」
こんなふうに、相談というより“気持ちの共有”を目的にすると話しやすくなります。
● あえてぼかすことで心が守られることも
「夫が最近冷たくて…」など、詳細を言わずに反応を見るのもひとつの方法です。
相手の反応によって、「この人ならもう少し話せる」と判断しましょう。
● 自分の気持ちに罪悪感を持たない
「こんなこと話していいのかな」
「私のわがままって思われるかも」
そう思っても、自分の気持ちに蓋をし続ける方が、ずっと苦しいんです。
誰に話す? ―実際におすすめできる相手―
• 市や地域の女性相談センターの職員
→ 利用したちさとさんのように、信頼できる方が多く、気持ちに寄り添ってくれます。守秘義務もあります。
• メンタルクリニック・心療内科のカウンセラー
→ プロなので否定や押し付けはありません。言葉がまとまらなくても大丈夫。
• 信頼できるママ友・友人
→ 家庭の事情に踏み込みすぎないけれど、日常を知ってくれている人なら心強い。
• 実家の家族(心の距離が近い場合)
→ 一緒に暮らしていた期間が長ければ、あなたの性格や弱さも理解しているはず。
安心して話せる人を少しずつ増やすには?
話してみないと、安心できるかどうかはわかりません。
でも、焦らず少しずつ「小さな会話」を重ねることで、信頼関係は育ちます。
• 日常の愚痴をこぼしてみる(例:「昨日、夫とちょっと言い合いになって」)
• 相手の反応を見ながら、少しだけ話題を深めてみる
• 話したあとは「聞いてくれてありがとう」と伝えてみる(相手も安心します)
最後に
モラハラのように“見えない暴力”にさらされていると、自分の感覚が信じられなくなることもあります。
「これって私がおかしいのかな」
「考えすぎだって言われたから、そうかもしれない」
――そんなふうに、自分の気持ちさえ押し込めてしまう日々。
でも。
あなたが感じた「つらい」「怖い」「もう我慢したくない」という気持ちは、
誰にも否定されるものではありません。
だからこそ、どうか自分の心を守る選択を。
話してもいい。
頼ってもいい。
あなたの“心の声”を、少しずつ言葉にしていく場所を、これから増やしていきませんか。
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