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【第3章|産後の孤独と自己否定】「中立でいたい」と言った夫に、私は一人にされた

目次

——産後、義父との距離に疲れ果てて——

「夫は、私を守ってくれなかった」

義父の過干渉に疲れ、限界を伝えたはずなのに、夫は「中立でいたい」と言った。

私の気持ちは無視され、父親の顔色ばかりをうかがう夫の態度に、深く傷つきました。

家族の問題なのに、やがてそれは夫婦の問題にもなっていく――。

同じように、「私の味方になってくれなかった」と感じた経験がある方へ。

あのとき、何がつらかったのか。なぜ、自分ばかりが我慢する形になってしまったのか。

体験を振り返りながら、今あらためて、言葉にしてみようと思います。

産後、心も体も限界だった

出産を終えたばかりの私は、心も体もギリギリの状態でした。

眠れない日々、思うようにいかない育児、終わらない家事。

そんな中、追い打ちをかけるように、義父からの干渉が始まりました。

「こうするべき」「あれをしなさい」

悪気のない“正論”を、産後の脆さの上に容赦なく重ねてくる義父。

私はどんどん息が詰まり、ついに夫に「もう会いたくない。少し距離を置きたい」と伝えました。

夫の返答は「俺は中立でいたいから」

私が必死で伝えた気持ちに対して、夫が返してきたのはこの言葉。

「俺は中立でいたいから」

一見、公平なように聞こえるその言葉。

でも、実際はどちらの味方もせず、問題に関わろうとしない態度でした。

中立を選んだのではなく、私の声を受け止めないという選択をしたのです。

父親の「やりたいこと」は叶えて、私の気持ちは見て見ぬふり

夫は結局、義父の「やりたいこと」には応じていました。

一緒に出かけ、孫を会わせ、義父の希望通りに予定を組む。

それは“中立”なんかじゃなかった。

「父親に逆らいたくない」

「父にいい顔をしていたい」

——それが本音だったんだと思います。

その裏で、私はどうでもよかった。

私の体調も、気持ちも、どれだけ限界を迎えていても、

夫にとって大切だったのは「義父に失礼のないようにすること」。

“私”は、最初から選ばれていなかったんだ。

そう静かに悟りました。

誰のための家族だったのか

夫が守りたかったのは、「家族」ではなく「父との関係」だった。

それは、産後の私にとって、これ以上ないほど残酷な選択でした。

でも私は、そのときもう、泣いても叫んでも意味がないと分かっていました。

だから黙って、ただ距離を置いた。

もしかしたら、夫にとって私は「いてもいなくてもいい存在」だったのかもしれない。

そうやって、自分の中で静かに整理していくしかなかったのです。

おわりに —— “中立”は優しさではなかった

「中立」という言葉の裏には、弱い側を切り捨てる冷たさがありました。

そしてその態度こそが、私の心をもっとも深く傷つけたのです。

夫は、「誰の味方もしない」ことで自分を守った。

でも私は、「味方が一人もいない」という状況に、ただ一人で取り残されていました。

もしあのとき、たった一言でも

「君の気持ち、ちゃんとわかるよ」

と言ってくれていたら。

それだけで、私はもう少し違う気持ちで、産後の日々を生きられたかもしれません。

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