「条件付きの愛」に疲れ果てた日々
子どもにまで“取引”を持ち込む夫
夫は、子どもにこう言うのが癖でした。
「〜してくれたら、〜してもいいよ」
おもちゃを片付けたらテレビを見ていい、宿題をしたらお菓子を食べてもいい──。
一見しつけのように見えるかもしれません。
でもその裏には、「自分の思い通りに動かせば正しい」という、夫の価値観がありました。
子どもが言われた通りに動くと、夫は「こうしたらいい」と、まるで自分の教えが正しかったと証明するかのように、得意げに言い放ちます。
その様子を見ていると、胸の奥に冷たい違和感が広がっていきました。
「あなたがそのままでいい」と受け入れる優しさが、そこにはなかったからです。
私へのお願いにも必ず“交換条件”
この条件付きの態度は、私にも向けられていました。
私がお願いをすると、ほぼ必ず「じゃあ代わりに〜して」と返ってきます。
しかも、その条件は同じくらいか、それ以上に負担の大きいことばかり。
ただ「いいよ」と言ってくれたら、どんなに救われただろう。
それなのに、夫の口から返ってくるのは取引のような言葉ばかり。
最初は笑って受け流そうとしていました。
でも、いつしか私は「お願いすること=負担を背負うこと」になり、何かを頼むのが怖くなっていきました。
愛じゃなく、交渉だった
夫のやり方は、愛情ではなく交渉でした。
「条件が満たされたら愛情を与える」──そんなやり方を、私は求めていません。
ほしかったのは、見返りのない優しさでした。
「あなたが困っているなら助けるよ」
「やりたいならやればいいじゃない」
そう言ってくれるだけでよかったのです。
でも、夫はそうしてくれなかった。
条件を突きつけられるたびに、心は少しずつ削られていき、やがて「これって、本当に愛なの?」と自分に問いかけるようになりました。
あなたの周りにも、条件付きでしか愛情を示さない人はいませんか?
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