言葉がすれ違うたびに
結婚してから、何度も思ってきた。
「どうしてこんなにも、話が通じないんだろう」
「私の言いたいこと、伝わってるのかな」
「そもそも、聞く気なんてあったのかな」って。
直接話すたびに、私は緊張した。
うまく伝えようとするたびに、喉が詰まった。
夫の表情が変わるのが怖くて、核心には触れられないことも多かった。
そして何より、一番つらかったのは──
私が勇気を出して話しても、その場で論破されるように否定されたり、
「何が言いたいの?」「被害者ぶってるだけ」と突き返されることだった。
私が悪かったのかな?と悩む夜
話してもすぐに「違うよ、それはさ」「俺はそんなつもりない」と返ってくる。
たとえ私がどんなに傷ついたと伝えても、「でもそれってさ」と返されると、
まるで私の感じ方自体がおかしいのかと思えてくる。
本当に伝えたかったのは「私の気持ち」だった。
正しさじゃない。勝ち負けでもない。
ただ、わかってほしかった。
寄り添ってほしかった。
でも、話し合うたびに私の心はすり減っていった。
だから私は決めた
「大事なことは、LINEや手紙で伝えよう」って。
文章なら、焦らずに思いを整理できる。
相手に遮られることなく、ちゃんと最後まで言える。
そして相手にも、「その場の感情」ではなく、「言葉の意味」を受け取ってもらえるかもしれない。
もちろん、文章だって誤解は生まれる。
でも、私にとっては「気持ちを壊さずに届けるための方法」だった。
「直接じゃなきゃ伝わらない」っていうけど
「大事なことはちゃんと向き合って、面と向かって話すべきだ」
そう自分自身で思い込んでいた。
でも傷つくことを重ねるうちに、大事なことは「安心して気持ちを出せること」だと気づいた。
私は今、自分の心を守るために、文章という手段を選んだ。
逃げじゃない。妥協でもない。
これは私なりの、“向き合い方”。
最後に
「本当に伝えたいことは、言葉にするのが難しい」って、誰かが言っていた。
それでも私は、あきらめたくない。
言葉にして届けたい。
怒鳴られることなく、遮られることなく、
“ちゃんと最後まで聞いてもらえる場所”で、自分の声を残していきたい。
だから私は今日も、画面の前でゆっくり言葉を紡いでいる。
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