MENU

【第9章|夫がカウンセリングを受け始めた日】「あの人は悪くない」と言い続ける夫

夫の父親は、いつも一方的で、話し合いというより押しつけ。

何かを言えば「言い訳をするな」「間違ってる」と即否定。

そんな姿に、私はどこかで既視感を覚えていました。

……ああ、夫が私に向けていた言葉と、そっくりだった。

目次

「親を否定する」という怖さ

夫は親のことを悪く言いません。

「厳しいけど、ちゃんと育ててくれた」「自分は感謝してる」

……そんな言葉をよく口にします。

でも、それが本音なのか、防衛なのか、私はよくわからなくなります。

親を否定するというのは、とても怖いことです。

それは、自分の土台が揺らぐような感覚かもしれません。

でも、そこを直視しないかぎり、

自分が親から受け継いでしまった“他人の傷つけ方”にも気づけないのではないかと思うのです。

「自分は正しい」と思っていたあの態度

夫はよくこう言います。

「お前のためを思って言った」

「そんなに傷つくようなこと言ってない」

「知花の言っていることがおかしい」

でも、それがまさにモラハラなんです。

正論で押しつけ、感情を無視し、「自分は悪くない」と思い続ける。

そしてそれは、おそらく、彼の父親の言動を“普通”として育ったからこそ、

自分の中に「正しいこと」として刷り込まれてしまっていたのだと思います。

親を否定することは、自分を否定することじゃない

私は、夫に親を責めてほしいとは思っていません。

ただ、「あの関わり方には問題があった」と認めてほしい。

それは、自分がしてきたことの痛みに、ようやく気づくための一歩だから。

「自分もあんなふうに人を傷つけていたんだ」

その痛みに気づけなければ、形だけ謝っても、根本は変わらない。

親を否定することは、自分の全てを否定することではない。

むしろ、「ああ、あれは辛かったんだ」と認めたときに、

初めて他人の痛みにも気づけるようになるのかもしれません。

おわりに

夫の変化を信じたいと思いながら、

それでも、「そこに気づけない限り、変わらないのでは」と思ってしまう自分がいます。

どんなに時間がかかってもいい。

せめて、他人のせいにしないで、自分の中のパターンと向き合える人になってほしい。

私の願いは、ただそれだけです。

関連記事はこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次