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【第8章|家庭内別居を始めた日】家庭内別居は静かに心を壊していく

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―声もなく、会話もなく、ただ日々が過ぎていく中で―

家庭内別居という言葉は、一見「平和的な距離感」のようにも聞こえるかもしれません。

確かに大きな喧嘩や暴力があるわけではない。

でもその“静けさ”が、何よりも心をむしばんでいくことがあります。

私自身、夫との関係に悩み、家庭内別居のような状態を経験しました。

お互い、ドアの開け閉めの音を聞いて行動するタイミングをずらす日々。

「顔を合わせたらどうしよう」というヒヤヒヤ感、

すれ違わないように気を張る緊張感、

何気ない生活音すらストレスになっていくのです。

「話したい」「伝えたい」気持ちは確かにあるのに、

実際には怖くて話せない。

話したらまた傷つくかもしれない。

そんな思いを重ねるうちに、私はだんだんと“自分の声”を失っていきました。

壊れていく心のサイン

・朝が来るのがつらい

・食欲がわかない、眠れない

・涙が出るけれど理由がわからない

・誰とも話したくない

・自分が家にいる意味がわからない

こうした心の変化は、最初はほんの小さな違和感として始まります。

でも放っておくと、まるでサビのようにじわじわと広がり、心の奥を蝕んでいくのです。

「無言の生活」が心に与えるダメージ

家庭内別居は、「争いを避ける」という点では一見“平和”です。

けれど実際は、言葉が交わせない不自由さ、沈黙の圧力が心を傷つけていきます。

私がいちばん苦しかったのは、「話したくない」のではなく、「話せない」状態だったこと。

夫を部屋に押し込めるような構図になってしまっていることへの罪悪感とも、日々向き合っていました。

「ここまでしてしまっていいのだろうか?」

「自分が冷たすぎるのではないか?」

そんな問いが頭をぐるぐる巡り、自分自身を責める気持ちが募っていきました。

それでも距離が必要だった

そんな私が、少しずつ吹っ切れていったきっかけは――

「今は、自分の心を守ることが最優先なんだ」と思えたことでした。

誰かに理解されなくてもいい。

責められてもいい。

“今、距離を取ることは、壊れかけた心を守るために必要な選択なんだ”と、ようやく思えるようになったのです。

家庭内別居は、関係の終わりではなく、「これ以上壊さないための一時停止」なのかもしれません。

心が壊れてしまう前に

家庭内別居のつらさは、他人にはなかなか伝わりません。

同じ家にいるのに、まるで誰もいないかのような孤独。

その苦しみは、誰にも気づかれず、静かに心をすり減らしていきます。

だからこそ、自分の心の声に耳を傾けてください。

もう我慢しすぎないでください。

無理に向き合わなくても、まずは距離をとることが、最善の選択であることもあります。

最後に:あなたは、自分を守っていい

今、同じような状況にいる誰かへ。

あなたは悪くありません。

あなたは冷たいわけでも、我慢が足りないわけでもありません。

あなたの「苦しい」「話せない」「疲れた」という気持ちは、すべて正当な感情です。

どうか、自分を責めすぎずに。

自分の心を守ることは、わがままではなく、生きるために必要なことです。

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