――心療内科で気づいた、本当のストレスの正体――
心療内科の先生は、初めて会った私にじっくりと時間を取って、静かに話を聞いてくださる方だった。
今まで、誰にも話せなかったこと。
話しても、否定されてきたこと。
言葉にするのが怖かった気持ちも、少しずつ話せるようになった。
引越し先では、夫のことを安心して話せる相手がいなかった。
本音を話せる人がひとりもいない中で、ただ「話を聞いてもらえる」ことが、どれだけ私の心を救ってくれたか――。
先生の前では、初めて「誰にも気を使わずに話してもいい」と思えた。
義父が原因だと思っていた。でも本当は……
診察の最初の頃、私は「義父の過干渉に悩んでいます」と話していた。
確かにそれもつらかった。
でも話していくうちに、だんだんと思考が整理されていった。
そして気づいた。
一番のストレスの原因は、夫だった。
「夫がおかしい」と思うことが、なぜか怖かった。
それを認めると、自分の中の何かが崩れてしまいそうで、ずっと避けてきた。
でも、先生と話すうちに、私の中の曖昧だった輪郭が少しずつはっきりしていった。
「私、無理してたんだな」「あれは優しさじゃなかった」
そんなふうに、少しずつ自分の気持ちに気づいていけた。
救われた、先生の一言
先生との対話の中で、いくつもの言葉が私の心をほどいてくれた。
なかでも、一番印象に残っているのはこの言葉だった。
「いろいろな人と話して、物差しをたくさん集めてみるといいよ」
夫の言葉、夫の考え方、それが“正解”のように思い込んでいた私にとって、この一言は衝撃だった。
「夫の物差しと、あなたの物差しだけで判断すると、苦しくなるよ。
たくさんの人の物差しを見てみると、“ああ、こんな考え方もあるんだ”って気づけるから」
そう言われて、私は初めて、視野を広げてもいいんだと気づいた。
閉ざされていた世界に、小さな窓が開いたような気がした。
外の世界に目を向ける勇気
この先生の言葉をきっかけに、私は少しずつ外の世界に目を向け始めた。
SNSやブログ、同じような悩みを抱える人たちの声を読む中で、「私だけじゃなかった」と知った。
心療内科に行くことは、弱さじゃなかった。
誰かを責めるためでもなかった。
自分の心を守るために、ちゃんと行動したことだった。
いま、心が迷子になっているあなたへ
自分の心の中がごちゃごちゃしていても、話すことで見えてくることがあります。
「こんなことで相談していいのかな」なんて思わなくていい。
大丈夫。
あなたの感じている“違和感”は、ちゃんと意味がある。
その違和感を、誰かと一緒に見つめてくれる人が、きっといます。
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