MENU

【第6章|心療内科にかかった日のこと】「あなたの物差しだけがすべてじゃないよ」

――心療内科で気づいた、本当のストレスの正体――

心療内科の先生は、初めて会った私にじっくりと時間を取って、静かに話を聞いてくださる方だった。

今まで、誰にも話せなかったこと。

話しても、否定されてきたこと。

言葉にするのが怖かった気持ちも、少しずつ話せるようになった。

引越し先では、夫のことを安心して話せる相手がいなかった。

本音を話せる人がひとりもいない中で、ただ「話を聞いてもらえる」ことが、どれだけ私の心を救ってくれたか――。

先生の前では、初めて「誰にも気を使わずに話してもいい」と思えた。

目次

義父が原因だと思っていた。でも本当は……

診察の最初の頃、私は「義父の過干渉に悩んでいます」と話していた。

確かにそれもつらかった。

でも話していくうちに、だんだんと思考が整理されていった。

そして気づいた。

一番のストレスの原因は、夫だった。

「夫がおかしい」と思うことが、なぜか怖かった。

それを認めると、自分の中の何かが崩れてしまいそうで、ずっと避けてきた。

でも、先生と話すうちに、私の中の曖昧だった輪郭が少しずつはっきりしていった。

「私、無理してたんだな」「あれは優しさじゃなかった」

そんなふうに、少しずつ自分の気持ちに気づいていけた。

救われた、先生の一言

先生との対話の中で、いくつもの言葉が私の心をほどいてくれた。

なかでも、一番印象に残っているのはこの言葉だった。

「いろいろな人と話して、物差しをたくさん集めてみるといいよ」

夫の言葉、夫の考え方、それが“正解”のように思い込んでいた私にとって、この一言は衝撃だった。

「夫の物差しと、あなたの物差しだけで判断すると、苦しくなるよ。

たくさんの人の物差しを見てみると、“ああ、こんな考え方もあるんだ”って気づけるから」

そう言われて、私は初めて、視野を広げてもいいんだと気づいた。

閉ざされていた世界に、小さな窓が開いたような気がした。

外の世界に目を向ける勇気

この先生の言葉をきっかけに、私は少しずつ外の世界に目を向け始めた。

SNSやブログ、同じような悩みを抱える人たちの声を読む中で、「私だけじゃなかった」と知った。

心療内科に行くことは、弱さじゃなかった。

誰かを責めるためでもなかった。

自分の心を守るために、ちゃんと行動したことだった。

いま、心が迷子になっているあなたへ

自分の心の中がごちゃごちゃしていても、話すことで見えてくることがあります。

「こんなことで相談していいのかな」なんて思わなくていい。

大丈夫。

あなたの感じている“違和感”は、ちゃんと意味がある。

その違和感を、誰かと一緒に見つめてくれる人が、きっといます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次