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【第7章|心の距離と小さな決意】「パパに話しかけてみたら?」――気を遣う子どもの姿に、胸が痛んだ

――私はもう、普通に話せる自信がなかった。

でも、子どもは今もなお“家族のつながり”を信じてくれていた。

目次

子どもの口から出た、優しい言葉

「パパに話しかけてみたら?」

「今日は、みんなで遊べるかな?」

その言葉に、私は何度も心が締めつけられました。

まるで、家庭の空気をやわらかくしようと、

子どもが小さな体で必死にバランスを取っているように感じたのです。

子どもは何も言わなくても、ちゃんと“わかって”いました。

夫婦の間に流れる張りつめた空気を。

そして、それを壊さないように、自分なりに努力していたことを。

私はもう、夫と「普通の夫婦」を演じられなくなっていた

正直に言えば、私はもう夫と自然に会話をしたり、

一緒に外出して楽しんだりする自信がありませんでした。

過去に何度も傷つけられた言葉、

無視され、拒まれ、冷たくされた記憶は、

簡単には消えてくれませんでした。

表面上だけ取り繕っても、心はもうついていかない。

「うまくやろう」とすること自体が、私には限界だったのです。

子どもに、必要以上の気遣いをさせたくなかった

子どもが気を遣うたびに、私は申し訳なさでいっぱいになりました。

どうか、「自分が悪いのかも」なんて思わないで――

そう願いながら、私は子どもにできる限り正直に話すようにしました。

「ママが悪いわけじゃないし、あなたが悪いわけでもない。

ただ、大人の間にはいろんなことがあるんだよ。」

難しいことは、無理に説明しませんでした。

でも、私が過去にどんなふうに言われ、どう感じたのか、

必要な部分はちゃんと伝えました。

「大好きだよ」――それだけは、何度でも伝えたかった

私は毎日、しつこいくらいに子どもに言っています。

「大好きだよ」

「あなたは大切な存在だよ」

不安を感じさせたくない。

傷を負わせたくない。

その一心で、何度でも、何度でも繰り返しています。

夫婦の間に起きたことを、子どもに背負わせてはいけない。

どれほど関係が壊れても、

子どもには「安心していい場所」が必要だと、強く思うからです。

いつかこの日々を、安心の中で思い出せるように

今はまだ、完全に前を向けているとは言えないかもしれません。

でも、私は決してあきらめたくありません。

子どもの心に、傷ではなく“信頼”が残るように。

思い出すとき、「たしかに大変だったけど、ママはちゃんと自分のことを見てくれていた」と感じてもらえるように。

そのために、私はこれからも、

子どもに「本当の言葉」と「変わらない愛情」を届け続けていきたいと思っています。

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