――安心して言葉を出せる関係性とは?
子どもと話しているときの自分は、不思議と素直になれる気がします。
気を遣わず、言葉を選ばず、思ったままを伝えられる。
けれど、他の誰かと話すときには、どうしてあんなに構えてしまうのだろう――そんなふうに感じたことはありませんか?
今回は、「子供と話すときの自分」に近づくために、どんな人間関係が必要なのかを考えてみました。
否定されない関係
子どもに対して、「そんなこと言っちゃダメ」と頭ごなしに否定することは少ないはずです。
大人同士でも、それと同じように、「そんなふうに思ったんだね」「そう感じたんだね」と、気持ちをそのまま受け止めてもらえる関係は、とても安心できます。
「間違ったことを言ってしまったらどうしよう」と思わずに話せる相手。
それだけで、心はずいぶん楽になります。
優劣のない関係
話しているときに、相手の表情や言葉に「上から目線」を感じると、自分を守るような話し方になってしまいます。
子どもといるときの自分が自然でいられるのは、「上か下か」ではなく、対等なやりとりができているから。
正解を言わなければいけない。
わかってもらえるように、うまく説明しなければいけない。
そんなプレッシャーから解放されるには、優劣を感じない関係が欠かせません。
感情を受け止めてもらえる関係
「つらい」「悲しい」「なんかイヤだった」
そういう曖昧な感情をそのまま伝えても、「それは違う」「そんなことで?」と返されない関係は、何よりも大切です。
子どもが泣いたとき、「何があったの?」と理由を求めるよりも、「泣きたくなるよね」と寄り添うように、
大人だって、感情をそのまま抱きとめてほしいときがあります。
安心して沈黙もできる関係
ずっと喋っていなくても大丈夫。
沈黙が怖くない。
そんな関係の中では、緊張も力みもいらなくなります。
子どもと一緒に絵本を読んでいるときのように、言葉がなくても心がつながっていると感じられる関係が、心の深い安心につながります。
感情のキャッチボールができる関係
「そうなんだ」と受け取ってくれる。
「私はこう思ったよ」と返してくれる。
そんな感情のキャッチボールができる相手とは、自然にやりとりが続いていきます。
無理に説明しなくても、お互いの感情を分かち合える関係が、子どもと話しているときの安心感に近づく鍵になります。
「守らなくていい関係」が、本当の安心をくれる
子どもと話すときの自分が素直でいられるのは、評価されず、コントロールされず、無条件に受け入れてもらえていると感じているから。
そんな関係を、大人同士でも少しずつ築いていくことは可能です。
最初から完璧な関係を求めなくてもいい。
まずは、自分の感情を大事にしてくれる人と話す時間を、少しだけ増やしてみる。
その積み重ねが、「素の自分」を取り戻すきっかけになるかもしれません。
コメント