― 私だけが責められる関係に、息が詰まっていった ―
「それ以上言うな」
そう言って手を出すような仕草を見せたのは、
私があなたのミスを一言、口にしたときだった。
私はただ、「こうだったみたいだよ」と伝えたかっただけ。
責めたかったわけじゃない。
でもあなたは、即座に不機嫌になり、遮ってきた。
目次
自分が言われるのは嫌。
でも、私には言ってくる。
あなたは、自分のミスや指摘にとても敏感で、
少しでも否定されると強く反応する。
キッパリと絶対言わせないと言う様子で。
でもあなたは、私に対しては違った。
私のミスや言い間違いは、遠慮なく責めた。
繰り返し、じっくり、時には小さなことでさえも。
私の中にできていった“ルール”
何度か同じことがあって、私は決めた。
もう、あなたのミスを指摘するのはやめよう。
怒られるのも、睨まれるのも、怖かったから。
だけどその選択は、
私の中にひとつの“構図”を作った。
―― あなたは責めてくる。私は黙る。
―― あなたは不満をぶつけてくる。私は受け止める。
そんな一方通行な関係が、
私の心の中に小さな不満を積み重ねていった。
「嫌がることは、したくない」
それでも、苦しかった
私は本当は、怒りをぶつけたかったわけじゃない。
ただ、気づいたことをそのまま伝えたかっただけ。
間違ってることを、冷静に「そうじゃないかも」と言いたかっただけ。
でも、あなたの嫌がることはしたくなかった。
だから我慢した。
何度も、何度も、飲み込んだ。
だけど、私のミスをとことん責めてくるあなたを見るたびに、
私の中に湧いてくる不満を、どうしても消すことができなかった。
終わりに ― 沈黙が優しさだとは思わないで
私は黙った。
あなたを責めない選択をした。
でもそれは、優しさじゃなかった。
ただ、怖かっただけ。
ただ、もう疲れてしまっただけ。
私ばかりが責められる関係の中で、
私の気持ちがすり減っていったこと。
あなたは、気づいていますか?
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